当院では、肩コリ・頭痛・腰痛・膝痛などの痛みに対する治療から、喘息・アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患などの方も多く来院しています。また、女性の不妊治療~妊娠中~出産、産後の骨盤矯正から授乳期の母体ケアまで、妊産婦さんをトータルでケアさせていただいております。 安心して受診していただくために、よくある質問をまとめてみました。
鍼灸を受けたことがない方、また、はじめての鍼灸院の方はこちらのページをご覧ください。いろいろと不安があるだろうとお察しします。

   初めてで不安!?  
初めて鍼灸院を受診してみたいと思っても、『どんな人が治療しているの?』『鍼って痛いの?怖いの?』『お灸って凄く熱いの?』といろいろ分からないことばかりでしょう。そこで鍼やお灸などについて、ご説明していきましょう。

 どんな症状に効くのですか?

当院に来院する患者さまの傾向です。

女性
男性
①逆子
②不妊 冷え症
③自律神経失調(動悸 めまい)うつ傾向
④VDT症候群(首・肩こり 頭痛 腰痛)
⑤月経痛 月経不順 更年期障害など

①首・肩こりor痛み 背中の痛み
②腰痛 座骨神経痛
③疲労感 集中できない 気分が落ち込む
④不眠 睡眠障害(中途覚醒 浅眠)
⑤自律神経失調 円形脱毛症
その他の疾患や症状にも対応いたします。西洋医学的な解釈と東洋医学的なアプローチで、患者さまに最適な統合医療を提供しております。ぜひご相談ください。お一人お一人の身体の状態に合わせて治療を行ないます
 はり

鍼の歴史
鍼灸治療は古代中国を起源としています。鍼の原型は尖った鋭角な切っ先を持つ『砭石』(へんせき)、『石鍼』(いしばり)とよばれるものです。主に化膿した部位の膿などを破って出すのに使われていたのではないか推測されています。後には動物の骨を用いて作られた骨針、竹でできた竹針(箴)、陶器の破片でできた陶針などがあります。
現在使われている金属の鍼は、戦国時代(紀元前403-紀元前221)頃に作られ始めたとされています。この鍼が黄河文明で発展した経絡の概念や臓腑学(ぞうふがく)、陰陽論(いんようろん)などと結びついて鍼治療が確立していきます。前漢代(紀元前206-8)に編纂された『黄帝内経』(こうていだいけい)と呼ばれる最古の医学書には、当時使われていた鍼を特徴で9つに分類した古代九鍼が紹介されています。

日本への伝来
6世紀頃、朝鮮半島を経由して仏教とともに鍼灸治療は中国から渡来したとされています。奈良時代(710-794)の律令制における医疾令に、鍼師・鍼博士・鍼生などの制度が記録として残っています。その後、中国からの医学(鍼灸・湯液)は遣隋使や遣唐使などによってもたらされました。以降、鍼師は医師などと共に日本の医療の中核を担っていくのです。

鍼の発展
日本独自の鍼の発展として、平安時代(794-1192)に鍼博士などを歴任した丹波康頼(たんばのやすより。912-995)によって編纂された、日本最古の医学書『医心方』(いしんぽう。984年成)があります。この本では鍼治療が当時の中国の医学より簡便化されたものになっています。また、安土桃山時代(1573-1603)から江戸初期の鍼医である御薗意斎(みそのいさい。1557-1616)は金鍼や銀鍼を木槌で叩いて刺激する打鍼法という独自の手技を開発しています。さらに、江戸時代(1603-1868)には、後に検校(けんぎょう。盲官(盲人の役職)の最高位)となった杉山和一(すぎやまわいち。1610-1694)によって作られた管鍼法(管を使って無痛で刺鍼する方法)などがあります。特に和一の影響は大きく、管鍼法は日本の鍼術の主流の技法になっており、日本の盲学校で鍼灸を教えるのは杉山和一が各所につくった鍼治学問所から発展したものです。

針と鍼
「はり」には「針」と「鍼」の字があります。国語辞典には、針は「布地などを縫うときに使ったり、注射器の先端につけるもので道具」としての意味合いが強く、鍼には「はり医が患部に刺す医療用具。また、それでする療法・鍼術」とあります。「鍼」は鍼灸治療のみに使用される漢字です。現在の日本では治療用の「はり」は「鍼」という字に統一されています。日本鍼灸師会や全日本鍼灸マッサージ師会でも公式文書上「鍼」で統一されています。一方、中国では「針」という字で統一されています。古い中国の古典医書には鍼だけでなく針も使われています。古代中国の遺跡で発掘された鍼は、錐のようにとても太いものです。「鍼」という字は暗黙的に「細いもの」「やさしいもの」という印象があります。

注射針
「はり」と聞くと、病院での注射針を想像される方も多いでしょう。注射針は太さの単位をゲージ(G)で表します。採血や静脈注射では21~23Gがよく使われています。例えば、テルモ注射針では23G の太さは0.60ミリです。また注射針の針先はメス状であり、組織を切り裂いて入っていきます。ですから緊急時には注射針の針先で切開したりもできるほど鋭利なのです。刃面の角度はR・B(レギュラーベベル)は12°、S・B(ショートベベル)は18°などがあります。ショートベベルとは、針先の形状が鈍角となっており、静脈穿刺をする場合、針先が鋭利であると血管を突き破る可能性があるため針先を鈍角にしています。逆に皮下・筋肉内穿刺をする場合、針先が鋭利の方が選ばれます。


鍼灸治療で用いる鍼の太さは、とても細く髪の毛くらいの太さしかありません。当院では主に寸六の一番鍼(0.16×48ミリ)と呼ばれる鍼を使用します。寸六は一寸六分の略称で、長さが48ミリということです。鍼灸は伝統医学ですから、今でも尺・寸・分などの古い単位を使っています。そして、一番鍼の直径が0.16ミリです。採血用の注射針23G の太さは0.60ミリですから、4分の1程度の太さしかありません。鍼尖も松葉型というものです。鍼先の少し上方から細くなり、刺入しやすく疼痛も少ないです。組織の間をぬって入っていきますから、この点も注射針とは異なります。

ディスポーザブル鍼
年配の方の中には『はりは病気が移る』とおっしゃる方がおります。これは昔、その年代の方々が子供の頃に集団予防接種で注射器を使いまわしされた結果、B型肝炎ウィルスに感染した方が多いからです。当院ではエチレンオキサイドガス滅菌されたディスポーザブル鍼(単回使用鍼)を使用しております。また高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)も完備しています。エイズや肝炎などの感染症防止のため、滅菌や衛生管理対策は徹底しております。

  

無痛
現在では、できるだけ痛みの少ない鍼が開発されています。完全に無痛とは言い切れませんが、痛点に当たったときにだけ微細な『チクッ』と皮膚を突かれた程度の感覚が起こります。鍼の刺す深さは2~5ミリです。初診の患者さまは治療後に『思っていたよりも痛くなくて・・・ 逆に気持ち良かった』とおっしゃる方が多いです。『いつ鍼を刺したんですか?』と聞かれることもあります。鍼は痛いとか怖いということはありません。

鍼による刺激による作用

調整作用
組織や器官に刺激を与えて、その機能を調整する作用
興奮作用
知覚の鈍麻・消失あるいは運動麻痺のような神経の機能が弱まっている場合や内臓器官の機能が弱まっている場合、それらを興奮させる作用
鎮静作用
痛みや痙攣のように機能が異常に興奮している場合に鎮静させる作用
誘導作用
患部やその箇所から隔たった部位に刺激を与え充血を起こし、患部の血流を調節する作用
患部誘導法
局所の血流が障害されている場合、直接その患部に施術して他の部位から血流を誘導する方法
健部誘導法
局所が充血や炎症を起こしている場合、その部位から隔たった部に刺激することで血流を誘導する方法
鎮痛作用
脳内から内因性のモルヒネ様物質が分泌されて起こる作用
防衛作用
白血球や大貪食細胞などを増加させて、各種疾患の治癒機能を促進。生体の防御能力を高める作用
免疫作用
免疫能を高める作用
消炎作用
白血球が増加して施術部位に遊走する。また血流改善されることによって病的滲出液などの吸収を促進させ、生体の防御能力を高める作用
転調作用
自律神経失調症やアレルギー体質を改善して、体質を強壮にする作用
反射作用
組織や臓器の機能を鼓舞あるいは抑制する
 お灸

お灸の歴史
お灸の起源は古く、二千年以上前に古代中国の北部地方で発祥したとされていますが、それ以前の古代インドやチベットを起源とする説もあります。日本に伝わったのは仏教伝来する6世紀頃とされています。以後、お灸は一般にも広く流布して、民間療法として広く浸透しました。

お灸とは
お灸とは、一般的にモグサを皮膚の上のツボに置いて燃やし、その温熱刺激によって体調を整える治療技術です。お灸をすることで、さまざまな体の不調を改善する効果が期待できます。また、女性に多い冷え性・体質改善・不妊治療などに有効とされています。

原材料はヨモギ
お灸の材料は『モグサ』(艾)です。このモグサは乾燥させた『ヨモギの葉』を精製したものです。ヨモギは日本全国に自生するキク科の多年草です。さまざまな薬効成分(健胃、利尿、解熱、止血など)が含まれており、草餅にして食べたりと日本人にもなじみの深い植物です。

有効成分
お灸に点火すると独特な芳香を発します。ヨモギに含まれる『チネオール』という成分が燃焼したときの香りです。この成分はローズマリーやローリエなどのハーブにも含まれており、さわやかですっきりとした芳香を持つため、リラックス効果があり、緊張した筋肉をほぐし、自律神経のバランスを整える作用が期待できます。この香りによる効果のために、お灸は『元祖アロマ療法』ともいわれる所以です。その他、『タンニン』『テルペン』などの成分が含まれています。タンニンは炎症を抑えて肩こりなどに効果があります。これらの有効成分が身体の上でモグサを燃焼させることで、皮膚から浸透します。つまり、お灸は温熱刺激と有効成分の相互作用で効果があるわけです。

お灸は怖い!?
昔から、いたずらをすると『お灸をすえる』と言います。親指大ほどのお灸をすえたりしている訳ですからたまりません。このようなイメージが定着しているせいか、お灸は『熱い』『怖い』といった印象をもっている方が多いです。そして、お灸の原材料はヨモギですから、植物片が燃えモクモクと煙も出ますし、独特なニオイもあります。タバコとは違いますので、煙を吸い込んだからといってニコチンが含まれている訳ではありませんので安心してください。最近では『お灸女子』という言葉もあり、ジワジワと人気が出てきて見直されているのです。

お灸の種類
お灸にいろいろな種類があり、当院でもいろいろなお灸を使用しています。温灸・台座灸・筒灸・塩灸、直接灸などがあります。温灸・台座灸・筒灸・塩灸は隔物灸という種類で、無痕灸や間接灸とも呼ばれます。皮膚に火傷を起こさないお灸で、モグサと皮膚の間に何かものを置き温熱刺激を生体に与えます。
①温灸
長さ20センチ、太さ1.5センチほどの『棒灸』でホ~ンワカと温めていく気持ちの良い治療法です。熱を身体に足して、虚(足りない)している分を補います。現代人は虚証が非常に多いです。腎虚などによる冷え症や不妊症の方に一押しのオススメ療法です。
②びわの葉エキス灸
『びわの葉エキス灸』はホームメイドの有機枇杷葉のエキスと温灸を組み合わせた心地良い温熱療法です。枇杷葉に含まれる主要な有効成分はアミグダリン、有機酸、ポリフェノールなどがあります。これらが体内に吸収されることで様々な効用をあらわします。代表的な作用には抗ガン作用、免疫活性作用、殺菌作用、血液浄化作用、鎮痛作用などがあります。最も注目されているのがアミグダリンという青酸配糖体です。これはガン細胞の周囲にあるベータグルコシダーゼという酵素に触れると、シアン化合物を出しガン細胞を攻撃します。一方で正常細胞に近づき、その周囲にあるロルターゼという酵素に触れると、安息香酸に変化し免疫力の強い細胞をつくるとされています。この結果、ガンの退縮、末期のガンの痛みが軽減にも有効とされています。
当院のびわの葉エキスはホームメイドなので安心です。びわの葉エキス灸のやり方は、びわの葉エキスをキッチンペーパーなどに滲み込ませ、患部に直接あてます。その上から成分の蒸発を防ぐためにラップなどで覆います。そして、その上に和紙や手ぬぐい、タオルなどを被せ、上から『温灸』していきます。温灸した患部がピンク色に発赤するまでやるのがポイントです。冷え症や月経不順などの婦人科疾患や不妊症などに効果的です。

③台座灸
当院で最も使われているお灸が『台座灸』です。紙製の4ミリほどの台座に円柱状のモグサが固定されています。台座の下がシールになっているので、局面にも横にしても貼れます。モグサに点火して、ツボに貼ります。約5分で燃え尽きます。薄っすらと発赤するように施灸するのがポイントです。途中で熱すぎれば、取っていきます。自宅でお灸をしたいという方には、この台座灸がオススメです。
④筒灸
『筒灸』も紙製の筒状の空間にモグサがあり、下に空気の層があり熱を調整します。下部は糊やシール状のものでツボに固定します。筒灸は台座灸よりも煙が多いですが、ジンワリとホ~ンワカと温めていくように感じます。季節や天気(湿度や気圧)により、お灸の熱さの感じ方が異なります。こちらも熱すぎれば、取っていくので大丈夫です。
⑤直接灸
『直接灸』(透熱灸)はその名の通り、皮膚の上にゴマ粒ほどの大きさの円錐形の1.5~2.0ミリ程のお灸をのせて、専用の線香で火を点けてお灸の熱を体内に浸透させていきます。当院でこれをやるのは『逆子の灸』で足の小指にある『至陰』というツボだけです。ここは角質もあついので火傷の痕が残ることはありません。
当院では火傷を防ぐ『灸点紙』を貼り、その上にゴマ粒~米粒ほどの大きさのお灸をのせて、八分目で消す『八分灸』か、竹筒を使い灸熱を緩和する『深谷灸』が多いです。痕が残るような火傷にはなりません。不妊症では腰仙部に、瘦せ型の女性の肩こりに著効があります。これは知熱灸と呼ばれるもので、初診の患者さまは『程よい熱さが逆に心地いい』とおっしゃいます。お灸は決して熱過ぎたり、怖いということはありません。

⑥塩灸
特殊な灸法には塩灸があります。特製の竹製の容器に塩(当院では沖縄の塩)を敷き、その上に円錐状(大きさ約1.5センチ)のお灸を載せます。ジンワリと温められように感じます。これは下痢や体の水分異常(浮腫や腹水)に使われます。

自宅でお灸
当院では『自宅でお灸してみた~い』という方のために、効果的なツボやツボの位置などをご指導しています。また、お灸の原材料はヨモギですから、ヨモギのアロマ効果もあり、『お灸を始めてから、よく眠れるようになった』という意見も聞かれます。お灸は元祖アロマテラピーです。

体質改善
お灸は長く続けることで体質改善(アレルギー体質や便秘体質など)が可能です。多くの場合、自律神経や内分泌系(ホルモン)が長期間乱れることで、体質異常が引き起こされていることが多いです。長期間にわたり継続されてきた体質を改善するには、お灸により自律神経を調整することで内分泌系が正常化となり体質改善されます。体質改善には根気と時間を要します。その体質が長く続いてきたものであればあるほど、治療期間も長いものとなるとお考えください。初めは治療後すぐに戻ってしまうような症状も、徐々に効果が持続するようになります。場合によっては自宅でお灸を行うことも大変有効です。

お灸の治効作用
お灸をすることで身体は『熱ッ』(微小な火傷)と感じます。これにより異種蛋白と呼ばれる物質が現れます。これによりインターフェロンやサイトカインという免疫関連物質を放出され、抗原抗体反応とよばれる現象が引き起こされ、身体の中で生化学的反応が起こります。これにより白血球が増加→免疫活性→自律神経やホルモンの調整→血流増加などが起こります。自然治癒力のアップなど多くの効果がお灸では期待できます。

増血作用
血液像(赤血球、血色素など)の変化、白血球の増加(免疫活性)
止血作用
血液凝固時間の短縮
強心作用
循環系に対する作用
血行促進作用
筋緊張緩和作用
局所の施灸により発赤します。血行改善により硬い筋肉の疲労物質が運ばれる「洗い流し効果」
局所循環が改善されることで筋肉の緊張やコリがほぐれる
特定のツボを刺激することで、特定の内臓や器官の血流を促進する
その他
温熱作用、鎮痛作用、新陳代謝促進作用、自律神経調整作用、内分泌調整作用、利尿作用、
殺菌・解毒作用、ツボの特殊作用
 鍼灸適応症の一例

世界保健機関(WHO)が鍼灸治療の有効性を認めた病気の一覧です。

神経系疾患
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
運動器系疾患
関節炎・関節リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・肩関節周囲炎(五十肩)・腱鞘炎・腰痛・膝痛・足関節痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
循環器系疾患
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧症・低血圧症・動悸・息切れ
呼吸器系疾患
気管支炎・気管支喘息・咳喘息・風邪および予防
消化器系疾患
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・腹痛・胃十二指腸潰瘍・痔疾
代謝内分秘系疾患
バセドウ病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
婦人科系疾患
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
耳鼻咽喉科系疾患
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・扁桃炎
眼科系疾患
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
小児科疾患
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚症、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善


 
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