当院では10年の鍼灸不妊治療の実績があり、
すでに約100人が妊娠・出産しております。

不妊治療


不妊症で悩む人の数
通常は妊娠を望めば、1年で約8割、2年で約9割が妊娠するとされています。しかし男女とも年齢が上がるほど妊娠しづらくなります。日本国内では不妊症で悩む方は30万人。6組に1組のカップルが不妊症に悩み、約50万人が何らかの不妊治療を受けているとされています。世界中の過去の調査を2007年にまとめた報告では、不妊症の比率は、調査された時代や国により1.3%から26.4%に分布し、全体では約9%と推定しています。
世界保健機関(WHO)が発表した不妊症の原因の統計では、不妊症の原因は41%が女性側、24%が女性男性ともにあり、24%が男性側、11%が原因不明となっています。このことからも、妊症の原因が男性側にある夫婦は約4組に1組で、女性男性両方に不妊症の原因がある夫婦も約4組に1組となり、男性の原因が考えられるものは約2組に1組と約半数にのぼります。そのため、不妊症の検査は夫婦ともに受けることが原則とされています。
2014年、国内の高度生殖医療(ART)を受けた患者数は約46万人で、同年に生まれた体外受精児は4.7万人。出産年齢で高齢とされる世代別の出産割合は、35歳で5人に1人、40歳で10人に1人、45歳になると100人に1人と不妊治療の現実はとてもシビアになっています。

不妊症の定義
日本産科婦人科学会は、かつて2年以上避妊を行わずに夫婦生活を送っていても子どもができないものを1年に短縮して、「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間,避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という。その一定期間については1年というのが一般的である。なお、妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない」と定義しています。
日本ではこれまで不妊症を「妊娠を希望している夫婦が2年以上避妊を行わずに一般的な夫婦生活を送っていても子どもができない状態」と定義していました。海外の諸機関である世界保健機関(WHO)、国際ART監視機関(ICMART)、アメリカ生殖医学会(ASRM)、ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)がinfertility(不妊)の定義を1年の不妊期間によるとしています。
2013年、アメリカ生殖医学会は「不妊症と定義できるのは1年間の不妊期間を持つものであるが、女性の年齢が35歳以上の場合には6ヶ月の不妊期間が経過したあとは検査を開始することは認められる」とを提唱しています。
これらを受けて、2015年に日本産科婦人科学会は、2年とされていたものを1年に短縮して、「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間,避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という。その一定期間については1年というのが一般的である。なお、妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない」と定義を変更しています。

不妊症の原因
現代社会において不妊症の要因は、晩婚化・晩産化・高齢化(加齢)・運動不足・過度なストレス・冷え性・食習慣の変化(食品添加物・高タンパク・高脂質過多)・肥満・拒食などがあげられています。これからも不妊症は増加すると考えられています。


鍼灸による不妊治療


当院は鍼灸治療による不妊治療に特化しております。10年の臨床実績があり、すでに約100人が妊娠・出産しております。不妊クリニックに通院している患者さんが多く来院しております。西洋医学による不妊治療の成功率は20~28%とされています。当院には、自然妊娠を望まれる方はもちろん、高度生殖医療(不妊専門外来)を受診中の方も、鍼灸治療を併用する形で通院されています。鍼灸治療を取り入れるのに早すぎることはありません。最高齢では45歳で自然妊娠の方もおります。鍼灸治療による“妊娠しやすい身体つくり”は、女性ホルモンは活性化し、卵巣や子宮の血流が良くなることで妊娠しやすくまります。また採卵した卵子の質もグレードアップします。胚移植においても子宮の血流が良くなり子宮内膜が肥厚して着床率が上がります。

不妊症における鍼灸治療の目的は、
1、良いホルモンバランスに体質改善して妊娠しやすい体にする。
2、卵巣機能を向上させ質の良い卵子を確保する。
3、子宮への血行促進により子宮内膜の厚さを確保して着床しやすくなる。
4、下腹部~足の冷え症状を改善する。
5、排卵誘発剤の使い過ぎなどで低下した卵巣機能を回復する。
6、不妊によるストレスや体調不良、精神的な不安を解消する。
7、流産の確率を下げる。

東洋医学で“妊娠ができる体”という土台を作り、その土台の上に西洋医学の的確な治療をとり入れることにより効果的な治療が可能になります。
例えば、体温が二相性にならず、黄体機能不全の治療をしても改善されない方は鍼灸治療で自律神経のバランスを整え、かつ自然治癒能力を高めることにより症状の改善が期待できます。また、鍼灸治療によってリラックス効果が期待できますので、不妊治療にともなうストレスをやわらげ、ホルモンバランスを整えます。
そして、下肢へのお灸が子宮や卵巣がある骨盤腔内の血流を活性化し、卵子の質の向上と子宮内膜の質の改善につながります。定期的な鍼灸治療で母体を妊娠継続しやすい身体をつくっておくことは、妊娠・出産という結果にいたる近道です。特に採卵と移植前後に積極的に鍼灸治療を受けると妊娠にいたるとの研究報告もあり、臨床においてもそのように感じています。

鍼灸治療の内容
当院では全身に鍼灸治療することで『妊娠しやすい身体つくり』をモットーにしております。女性の不妊症には「お灸」が効きます!!  特に腹部・腰背部・下肢へのお灸は大切です。
腰の下の方にある仙骨には左右に8つの穴が開いてます。これを後仙骨孔(第1~第4後仙骨孔)といいます。これに対応して上から順に上髎・次髎・中髎・下髎があります。これを八髎穴(はちりょうけつ)と言います。現代医学的にも次髎~下髎(第2~第4後仙骨孔)から副交感神経(骨盤神経)が出ており、この次髎(じりょう)・中髎(ちゅうりょう)にお灸により刺激することで生殖器へ効果的に刺激を与えられるのです。妊娠に向けて米粒大のお灸を熱くないように据えていきます。骨盤内臓器への血流促進により子宮内膜を厚くして着床しやすい環境を作ります。また、排卵誘発剤の経口薬「クロミッド」の副作用で子宮内膜が薄くならないようにすることも目的のひとつです。さらに卵巣に働きかけて卵胞の成長を促すこともできるので、卵胞の育ちが悪い人や、採卵に向けて卵胞の質を上げるためにも使われるツボです。その他、生理痛などの不快な症状を軽減する働きがあります。そして、妊娠初期(8週未満)には温灸で温めていくと、上手に安定期まで経過することが多いのです。
腹部・腰背部・下肢のお灸するツボを紹介しましょう。下腹部では中極(ちゅうきょく:へそから指5本下)は“子宝の灸”と呼ばれるくらい重要です。その他、気海(きかい:へそから指2本下)・石門(せきもん:へそから指3本下)は必須です。
また、下腹部には昔から「中条流子孕(ちゅうじょうりゅうこばらみ)の灸」というのがあります。へそを頂点としてご自身の口の横幅を一辺とした正三角形を作り、へその下外方の2点にお灸をします。また、「子宮」というツボがあり、中極から指4本分外側のツボです。子宮の血流改善に効果的です。腰背部では脾兪(ひゆ)・腎兪(じんゆ)・命門(めいもん)は外せません。
下肢では血海(けっかい:膝の皿の一番上から指3本上のところ)は生理痛や月経不順などに有効です。三陰交(さんいんこう:内くるぶしの頂点から上に4横指で骨の上ではなく凹むところ)は女性に汎用される産婦人科系疾患の名穴です。


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