産後の公的助成


当院がある杉並区では、妊娠前~出産後まで公的な補助や助成を行なっています。各自治体でさまざまな行政サービスを行っていますが、周知徹底されている訳ではありません。まして妊娠~出産は初めてのことばかりで、知らないことばかりです。ですから、行政サービスは“知っている人だけが得をする”という側面があります。以下に杉並区の主な産後の行政サービスを挙げてみました。これ以外にもさまざまな行政サービスがあるので、自治体のホームページで調べてみましょう。困った時には、最初に相談してみましょう。

杉並区 子育て応援券・ゆりがこ券
かつて杉並区は子供の出生率が全国の自治体の中でも、ワースト10に入るような自治体で、また、待機児童数も多かったのです。当時の区長の肝煎りで、2007年6月から、手探りで杉並区独自の子育て家庭と子育てを応援する地域の人とをつなげることを目指して「子育て応援券」が始まりました。
子育て応援券とは一時保育、子育て講座、親子参加行事などの子育て支援サービスに利用できる券(チケット)を就学前のお子さんがいる家庭に発行しサービスを利用しやすくするものです。子育て応援券でオムツやミルクなどの消耗品は購入できません。
地域の子育てを支援するもので、当初0~3歳までは1年間で6万円分、暫時金額は減少し小学校に上がる前年は2万円分となっていました。当初は応援券を利用できる所も少なく不評でした。しかし、経年毎に利用できる所も増えました。また、当初は大盤振る舞いで2~3月の早生まれのお子さんがいる家庭に6万円。そして年度が替わって4月に次年度分で6万円。こんな感じで子育て応援券を無料配布していました。
子育て応援券もドンドン様変わりし続けています。2016年にもなると、無償の応援券(出生時・0~2歳児)は、保護者がお子さん(出生時を除く)と一緒に、3ケ月以上区内に居住していることが条件です。転入された方には、転入日から約2週間後に、申請書を郵送しますので、必要事項を記入のうえご返送します。3ケ月の居住要件を確認後、自宅へ無償応援券がゆうパックで届きます。交付額は20,000円分(500円券40枚)です。2015年までは交付額は40,000円分でした。子育て応援券が積極的に利用されていないようで、予算が見直され減額されています。
同じく無償の応援券である妊婦「ゆりかご券」は2016年4月より開始されています。お住まいの住所を担当する区内5ケ所(荻窪・高円寺・和泉・高井戸・上井草)の保健センターまたは子育て支援課母子保健係で、区の助産師・保健師等による「ゆりかご面接」の際に、妊婦さん本人にその場で渡されます。交付額は1万円分(500円券20枚)です。ゆりかご券は出産後にも使えます。
そして、購入制の有償応援券(0~5歳児)は、年3回(7月・11月・3月下旬)の交付回があり、希望の回に申請できます。ただし、5歳児は年2回(7月・11月下旬)までとなります。4月以降に転入し、応援券の対象となった方には、転入の届け出後、申請書類とガイドブックが郵送されますので、交付回ごとの締め切り日までに申請手続きをします。転入した日によって、申請できる交付回が決まっています。0歳(出生時を除く)から5歳児までのお子さんのいる保護者が、購入価格1冊3,000円で、10,000円分(500円券20枚)の応援券を年間2冊まで購入できます。
子育て応援券は一時保育・子育て講座・親子参加行事・インフルエンザの予防接種などに利用できます。当院でも「子育て応援券」の趣旨に賛同して“地域の子育てを応援したい”と思い、2008年より応援券の取り扱いを開始しています。当初、就学前のお子さんがいる親御さんも使える枠が多く、産後の腰痛緩和や骨盤調整など、産後1年以内の母親が多く来院していました。しかし、2011年3月をもって母親のケアは廃止されています。現在は小児の夜泣きや疳の虫の治療に子育て応援券を利用できます。利用制限があり年1回となっています。ご利用ご希望の方はお問い合わせの上、お越しください。

杉並区 出産費用援助
杉並区では「出産費用援助」や「入院助産」を受けられます。経済的理由で入院による出産ができない妊婦の方に、入院と出産に必要な費用を援助されます。ただし所得制限があります。普通に仕事をして収入がある場合は、残念ながら援助は受けられません。経済状況のハードルはかなり低めに設定されています。また援助を受けられるのは助産施設となっている病院や助産院です。
援助が受けられる方は、①生活保護世帯。②当該年度分の区市町村民税の額が非課税の世帯。③前年分(1月から6月までの間は前々年分)の所得税額が8,400円以下の世帯。ただし健康保険法などの出産一時金(出産育児一時金などの出産に関する給付を受ける事ができる額)が390,000円以上の場合を除く。
援助の申込に必要な助産施設入所申込書は各福祉事務所にあります。そして、母子健康手帳・健康保険証・外国人にあっては外国人登録証・その他必要な書類の書類の写しを添付します。
詳細は下記の福祉事務所にお問合せ下さい。
・杉並福祉事務所荻窪事務所相談係(TEL:03-3398-9104(代表) FAX:03-3398-9598)
・杉並福祉事務所高円寺事務所相談係(TEL:03-5306-2611(代表) FAX:03-5306-2620)
・杉並福祉事務所高井戸事務所相談係(TEL:03-3332-7221(代表) FAX:03-3335-5641)

杉並区 産婦検診
「産婦健診」は平成23年4月1日以降に出産し、産婦健診受診時に杉並区内に、住所がある方は区内指定妊婦健診実施医療機関などで産婦健診」受けられます。
産婦健診の診察内容は、悪露(おろ)の有無、子宮のもどり、乳房の張りの確認、血圧測定・体重測定・尿検査です。
受診期間は出産日から8週間以内で、費用は無料です。荻窪の東京衛生病院や、阿佐ヶ谷の河北総合病院などや、
開業医の婦人科などでも受けられます。「杉並区妊婦健診実施医療機関名簿」を参照してください。実施場所に直接お申込ください。申込書は実施場所にあります。
不明な点は下記に問い合わせてください。
・健康推進課母子保健担当(TEL:03-3391-1015(代表) FAX:03-3391-1927)
・杉並保健所(杉並区荻窪5丁目20番1号 03-3391-1051)
・各保健センター(月曜~金曜 8時30分~17時)
・荻窪保健センター(03-3391-0015)。
・高井戸保健センター(03-3334-4304)。
・高円寺保健センター(03-3311-0116)。
・上井草保健センター(03-3394-1212)。
・和泉保健センター(03-3313-9331)。

杉並区 産前・産後支援ヘルパー
産前または産後の体調不良の時期に支援ヘルパーが来てくれて、母親や赤ちゃんの身の回りの世話や育児相談を行う杉並区の行政サービスがあります。里帰り出産ができない場合などには、とても利便性の高い行政サービスです。
杉並区内に在住で育児・家事を手伝ってくれる人がいない方が対象です。そして次に該当する場合です。①産前・妊娠中の方。②産後・出産後で退院した翌日から2ケ月以内の方。③多胎出産(双子さんなど)の場合は出産後1年以内の方。
基本的に母親と赤ちゃんを支えるサービスですので、父親は対象になりません。サービス提供場所は原則として派遣対象者の自宅です。
サービス内容は、①家事に関すること(食事の支度、衣類の洗濯、居室の掃除および整理整頓、買い物など)。②育児に関すること(もく浴の補助、兄姉の世話など、育児の援助および相談など)。③その他として健診などの付添いなどです。
支援ヘルパーさんの派遣日数は、①産前・妊娠が判明してから出産日までの間で5日以内。②産後・出産後で退院した翌日から2ケ月の間で15日以内。③多胎出産の場合は前記加えて出産後1年の間で15日以内。派遣時間は9時~17時。連続して4時間以内で土曜・日曜・祝日・年末年始は除外。
このサービスの受付期間は、産前・妊娠後から受付けとなります。産後・出産予定日の2ケ月前から受付けとなります。産前ヘルパーと産後ヘルパーは別々の申請が必要です。産前・産後両方利用する場合はそれぞれ申請が必要です。申請書は産前・産後どちらの場合も同じ様式です。申請に必要なものは申請書・母子健康手帳・住民税額のわかる書類などが必要です。
そして、所得に応じて利用者負担が発生します。①生活保護世帯・特別区民税・都民税非課税世帯(サービス利用負担額は無料。交通費は利用者負担)。②特別区民税・都民税課税世帯(サービス利用負担額は1時間1,500円。交通費は利用者負担)住民税の課税・非課税の区分は世帯全員が対象となります。「杉並・子育て応援券」も利用できます。
詳しくは下記窓口へ一度お問合せください。
・杉並区子ども家庭支援センター(杉並区阿佐谷南1丁目14番8号 TEL:03-5929-1901)
・ゆうライン(相談専用窓口 TEL:03-5929-1901(直通) FAX:03-5929-1903) 

ゆうライン
ゆうラインとは、お子さんの事やご家庭の事で悩んでいる方の相談システムです。相談は電話でも来所しても構わないです。ゆうラインは(03-5929-1901)です。所在地は杉並区阿佐谷南1丁目14番8号(子ども家庭支援センター内)です。
相談受付は月曜日~土曜日(9時~19時)。休業日は日曜日・祝日・年末年始です。専門相談もあります。児童精神科医・家族心理士・臨床心理士などの専門家が相談に応じます。
・児童精神相談 毎月第2・第4火曜日(14時15分~17時)
・家族心理相談 毎月第2・第4木曜日(10時~12時)、毎月第3木曜日(14時~17時)
・子育て心理相談 毎月第1・第3木曜日(10時~12時)

杉並区 子どもショートステイ
小さい子供の虐待がニュースなどで連日報道されています。杉並区には「子どもショートステイ」というものがあります。ショートステイは高齢者の要介護者ばかりが対象ではありません。児童や障害児や障害者なども心身の状況や病状、その家族の病気、冠婚葬祭、出張などのために、一時的に養育・介護をする事ができない、または家族の精神的、身体的な負担の軽減などを図るために短期間入所して日常生活全般の養育・介護を受けることができるサービスです。
児童福祉法における児童居宅生活支援事業では、保護者の病気などの事情によって自宅で介護を受けることが一時的に困難になった障害児を児童福祉施設に短期間入所させることもできます。
杉並区の子どもショートステイは保護者の方が病気、出産などで一時的に子供を養育できない時に、宿泊で区内の児童養護施設・乳児院で預かってくれます。①疾病、事故等により入院・加療するとき。②家族の看護にあたるとき。③出産する時。④育児疲れ、不安などがあり、養育が困難なとき。⑤冠婚葬祭に出席するとき。⑥その他、特別な事情があるとき。
対象児童は杉並区に住所を有する家庭の0~12歳までの児童です。 1日の定員は0~2歳未満は3名、2~12歳は5名。期間は1回につき7日間以内(年度内の合計は、子ども一人につき28日以内)です。施設は「社会福祉法人カリタスの園」住所が杉並区井草4丁目19番28号。「つぼみの寮」2歳未満。「小百合の寮」2歳以上です。自己負担金は2歳未満で5,000円。(1泊2日料金、1日増えるごとに2,500円)。2歳以上は4,300円。(1泊2日料金、1日増えるごとに2,150円)。生活保護世帯、非課税世帯は免除になります。 杉並区子育て応援券が使えます。申込みは子ども家庭支援センター ゆうライン(相談専用窓口 03-5929-1901)です。 
一人で孤立するのは良いことではありません。困ったら自治体に一度は相談してみましょう。各自治体で独自の支援やサービスを行っています。

 

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